いろいろなお話を聴いていると、”居場所がないと感じる”ことに苦しんでいる方が多いなと感じます。私自身も以前はそうでした。当時は「私の何が悪いんだろう」「どうしたらうまくいくんだろう」「いや。悪いのは私じゃない」など、考えても仕方ないことをぐるぐると考えていました。もしかしたら、今あなたもそうかもしれませんね。
少し前のことですが、クライエント様のお話を伺いながら、とてももやもやしている自分に気づきました。そして、クライエント様の置かれている状況の複雑さがその理由だと思っていました。しかし、深く見ていくと、自分自身がかつて感じた”居場所のなさ”にまつわる未完了の感情が浮上してきました。お話を伺いながら、私も再体験していたということです。こういうことは決して少なくないのですが、自分の中で何が起こっているかに気づいて、それを手当をしていくことが、お話を聴かせていただく邪魔をしないことにつながります。私の中に浮上してきたのは、悲しさと寂しさでした。以前は怒りが大きくて、これらの感情は奥に押しやられていました。しかし、この時には少しの怒りと共にこれらの感情を自分の中に統合することができました。統合できると、同じ話を聴いても以前のように心がもやもやざわざわすることはなくなります。
統合には”気づき”が大切なのですが、その前段階で感情や思考に圧倒されてしまうということが起きがちです。例えば、居場所を感じられないことについて、他者を責めて怒りが収まらなかったり「こんなに怒るなんて大人げない」「人を責めるなんて自分はよくないことを考えてしまった」と自責し罪悪感を持ってしまうことがあります。どんな理由があれ、居場所がないと感じることは寂しさや悲しさを伴いますし、できれば誰か他の人のせいにしたくなります。学校であればお友達や先生、家族であればパートナーや義家族、子ども、職場であれば上司や同僚がその相手になるでしょうか。人間関係の中で起こることなのでそれも当然のことですね。
しかし、同じことが起こったとしても、あなたの中でどう向き合うかは選ぶことができます。もし、あなたが「居場所を感じられない」「自分のいるところなんてない」「自分なんていなくてもいいんだ」と思っているとしたら、私と話してみませんか。あなたの状況や気持ちを丁寧にお聴きし、状況を変える方法を一緒に考えたり、傷つきを癒す作業を共にしたいです。